■上げ馬神事とは…
上げ馬神事は、三重県の無形民俗文化財に指定され、800年以上の伝統行事と称し
勇壮なお祭りとしてマスコミでも紹介されています。
毎年、町内各地区から選ばれた少年が、わずか1ヵ月程度乗馬の稽古をしただけで、 猪名部神社では4月の第一土・日曜日に、多度大社では5月4、5日に出場します。
この祭りは、約100mの助走路先の登り坂の頂点にある垂直な高さ約2m
(中央を凹ませて約1m70㎝に)の壁を超えるもので、その成否に一喜一憂する
観光イベントとなっています。
しかしながら、この壁の高さは国際馬術連盟の定めている固定障害の安全基準を
はるかに超えたもので、馬の能力を無視した構造のために骨折等の故障馬のみ
ならず怪我人が毎年出ています。
映像等は you tube 等で 「上げ馬神事」と探すことで見ることができます。
■ アンケートでは・・・ ■
(1)警察の摘発に賛成か
42%←YES NO→58%
(2)伝統行事に動物愛護の配慮は必要か
71%←YES NO→29%
(3)動物愛護管理法の動物虐待の定義はより具体的にするべきか
80%←YES NO→20%
<産経ニュース 「e-アンケート」 上げ馬神事と動物虐待(2011/8/4)より>
■神事での馬への暴力行為(虐待)
国際馬術連盟の安全基準を無視し、常軌を逸した固定障害を越させるために、
たった1ヵ月程度の乗馬の稽古で、大型のサラブレッドを制御することが
できない少年を騎手として乗せ、またぶっつけ本番を成功させるために、
馬を過剰に狂奔させ爆走させる必要があるからか、ドーピングを含め、
考えられる様々な虐待的暴力が行われました。
そのため非難されたことから一部は改善されましたが、今でも県職員や県警
警察官がいる前で、これ見よがしに暴力(虐待)が平然と行われていることが
確認されました。
●棒で腹、下腹部、尻を連続して殴る。(ミミズ腫れができる)
●ロープを振り回して腹や尻などを叩く。
●腹や下腹部を蹴り上げる。また急所である睾丸を竹竿等で叩く。
●馬の口のハミを過剰にシャクって興奮させる。
●法被を振り回して脅す。大声で怒鳴り威嚇して興奮させる。
これらの暴力は、集団で行い、馬を過度に興奮させ、馬を精神的に追い込み、
恐怖に陥らせ狂奔突進させることで壁を超えさせようとします。
また、これらの暴力行為は、馬繋ぎ場から移動した後、上げ馬本番前の誘導路
から、少年騎手が騎乗する場所まで執拗に行います。
■その他の問題
●選ばれた少年騎手は、1ヵ月程度の乗馬練習で、馬を制御しなければ
ならない。
●事前・事後に、馬の状態を調べるための獣医師による馬体検査があるか
疑問である。
●骨折等に陥った馬は、診察を受けずに運び出され、その後の処遇は不明
である。
●骨折や外傷等で廃用になった馬の数は、全く不明で記録されていない。
●県職員や多数の警察官がいるが、馬に対する暴力(虐待)への積極的介入は
認められない。
●上げ馬失敗馬の転倒などで、坂に並ぶ少年達が巻き込まれて怪我をする
危険性がある。
●興奮して暴れる馬を制御する際に、関係者が巻き込まれて怪我をする。
●これまで、観客及び関係者に重軽症者が多数出て、救急車で搬送されて
いるが、いまだ適切な対策が取られている様子がない。
●祭事関係者の多くは、馬への暴力を黙認し、中には率先して暴力を行い、
暴力をあおる者がいる。
■改善に向けて
※ 関係法規に則り、馬への暴力行為(虐待)を一切行わない。
※ 走路先の上り坂の傾斜を緩やかにする。
※ 壁の高さを1m20㎝以下にする。
※ 壁を垂直や逆傾斜(オーバーハング)でなく、緩やかな順傾斜にする。
(猪名部神社は順傾斜にした)
※ 事前に、専門獣医師による馬体検査を行い、問題のある馬を使わない。
※ 充分に訓練を積んだ馬と騎手で行う。(できれば一定の基準を設ける)
※ 未訓練の競馬の引退競走馬を使わない。
※ ドーピング検査のための採血及び採尿を義務づける。
※ 騎手の乗馬技術の向上と使用馬の固定障害飛越訓練を充分に行う。
こちら にこれまでの経過と詳細について掲載しています。