野生動物カフェに関する意識調査の結果報告

 動物との共生を考える連絡会及び国際的な動物福祉の慈善団体であるワイルド・ウェルフェア(Wild Welfare)は、「野生動物カフェに関する意識調査」を2026年1月に共同で実施しました。

 調査結果の詳細については「野生動物カフェに関する意識調査報告書」からご確認いただけますが、ここではその結果を要約してお伝えします。また、結果の考察と今後の展望についても触れています。

 *ページ最下部より報告書(PDF形式)のダウンロードができます。


【要約】

1 野生動物カフェでの体験・環境について

  • 多くの野生動物カフェにおいては、多岐にわたる野生種(フクロウ、ハリネズミ、カワウソ、ミーアキャットなど)を来店者が直接触ることができるようになっている。
  • 動物をなでる・抱く、動物に餌をやる、動物と写真を撮るなどの体験ができるようになっている。

2 野生動物カフェで怪我をした経験について

  • 回答者の2割以上が、怪我をした経験があることが示された。

3 公衆衛生上の取り組み・懸念点について

  • サルモネラ、レプトスピラ、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)等々を含む人獣共通感染症のキャリアであることが知られている動物種の取り扱いがある。
  • 多くの動物カフェで手洗い・消毒の設備があることが示された一方で、一定数の来店者は、公衆衛生上の取り組みに関するスタッフの指示に気づかなかったり(取り組みの有無について「わからない」との回答が一定数認められた)、公衆衛生上の懸念を抱いたりしていることも示された。
  • スタッフが動物の触り方を指導していた施設が多かった中、怪我の経験があったり、衛生上の懸念の抱く回答者があったりした。

【考察】

1 野生動物カフェでの体験・環境について

  • 取り扱われている動物種は複雑なニーズを有しており、カフェの環境は彼らにとって適切とは言えない。
  • 常に人と接触している状況は、動物にストレスがかかり、福祉上の懸念が生じている。
  • 狭い限られた空間に動物種を置くことは、人獣共通感染症や怪我など、人と動物双方にとって著しい安全上のリスクを呈する。

2 野生動物カフェで怪我をした経験について

  • 2割以上から怪我をした経験があるとの回答があり、これは、公共の場で動物とかかわる現場においてはとても高い割合であると考えられる。
  • 動物との直接的な接触が野生動物カフェにおける最大の特徴であり、それ故の結果と考えられる。

3 公衆衛生上の取り組み・懸念点について

  • 密な接触、怪我や公衆衛生上の取り組みの運用の一貫性の欠如などが組み合わさることにより、感染症が広がるリスクも高くなると考えられる。
  • 動物の触り方を指導する施設が多いことが示された一方で、怪我の割合や来店者が抱く懸念から、その指導が適切にされていなかったことも考えられる。また、来店者による動物の不適切な取り扱いが発生した際に、スタッフが介入を控えるという事態も推察される(来店者の期待・需要に応えるために、できる限り動物と密に接触することを推奨し、介入をできるだけ控える)。

【今後の展望】

  • 韓国では、動物福祉上及び安全上の懸念から2023年12月の法律改正によりカフェにおける野生動物との触れ合いが禁止され、アニマル・カフェとして営業していた施設はすべて動物園として再登録するか、営業を終了しなければならなくなった(「https://www.koreaherald.com/article/3280930?utm」より引用)。このため、韓国においてはこういった施設の動物の扱いに関する規制は強まったと言える。
  • 日本においては、人と動物双方を守るためのこのようなより強いリスクベースの規制がまだない。
  • 簡単な登録制ではなく、許可によるライセンス制で、動物福祉及び公衆衛生の基準に基づく運用ができる仕組みが必要である。こういった仕組みの中においては、野生種との直接の触れ合いも制限されるべきであり、どの動物種が飼養可能かについても明確なルールが作られるべきである。

【ダウンロード】

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野生動物カフェに関する意識調査_報告書_260406.pdf
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